Q ;自分はサンプルに入ってるドラムの位置などの問題から、モノラルサンプリングにするなどの手法をとることが原因なのか、音の横幅が狭くなっています。 Cut Creator$名義「Japanese Gangster」のでサンプルの扱いにつてですが、なぜあんなに広がりを持たせることができているんでしょうか??
A ; まず、ご質問いただいたオリジナルの内容から、他の方が分かりやすくするため多少改変させていただいておりますm(_ _)m
Japanese Gangster......慌てて聴き直しましたw
~トラックメイクの手法~
基本的には同じモノラルのサンプルのピッチを微妙に変えて左右に振る(これは実音配置なので効果絶大)といったATCQのまねごと(この辺はBob Powerに聞くと良いでしょうな)みたいな手法とか、スタートポイントを変えたサンプルを左右に配置する手法などを採用しました。あとは基本ネタのままチョップ&フリップという感じです。Japanese Gangsterについては、邦楽ネタということもあり、もともとレンジも広く、ステレオ感も強かったというのも要因のひとつかと思います。
~ミックスの手法~
DAW上でのミックス段階であれば、モノラルサンプルにステレオディレイをインサートし、片方を20msほど遅らせる方法がシンプルかつ効果的な手法です。
↓↓↓
"Mix"を片方は100%、もう片方は0%に設定。100%にした方がディレイ音なので、20msほど遅らせる。
この他、隠し味でありながら効果も大きい手法として、左右の広がりにモジュレーションを加えてさらに外側に持っていくという方法があります(実際は左右はじっこの方で流動的な揺らぎを作って耳の注意を引く)。確かUSエンジニアの誰かも同じ手法を紹介していました(onサンレコ)が、
AUXチャンネル(もしくはFXチャンネル)を立ち上げ、画像のようにWAVES MetaflangerとEQをインサートします。
Metaflangerの設定は
こんな感じ(見えますかね?クリックすると拡大、、、されると思います)。注意点は左上のMIXを100%にすることです。ミソとしては"Stereo"を100ではなく80程度にとどめることかな。理由は特にナシ、100は広過ぎる。経験から80で落ち着いてるだけです(-_-)/
次いでEQは、
こんな感じです。10kHz付近でローパスの理由は、mp3など圧縮する場合、超高域にモジュレーションがあるとノイズになる場合があるから。240Hzでハイパスの理由は、低域は不用意に揺らぎを入れずしっかりと定位を作りたいから、、、です(あくまで自己流です)。
このAUX(FX)チャンネルに、広がりを持たせたい素材を送ります。つまりサンプルを適宜送り込むわけです。このエフェクトは左右に実音を配置するわけではなく、揺らぎとして左右で変調を起こすものなので、「おぉっ!変わった!」というより、聴き手に潜在的に広がりを感じさせる効果として重宝します。
ってな具合ですかね?
ただ個人的にはステレオ感があまりに広過ぎる音源も最近はあまり好きになれません。ザ・シンセ・ビートが増え過ぎて、文字通りステレオ・タイプ(←当たらずとも遠からずw)なオケも少なくないですよね。なのでサンプリング派ならモノラルサンプルをいかにして左右にバランスよく配置するのかで勝負する方が最近はまたカッコいいような気がしてます。またKanyeっぽくサンプルとシンセを混ぜる場合は、サンプルはモノラルでシンセはステレオみたいにするとメリハリが出て良い感じになると思います(-_-)/